Wordで学ぼう ビジネス文書の書き方

Word

会社などに勤めている社会人の方々は、社内でのやりとりや会社同士の話し合いのためにビジネス文書を書く機会がたくさんあるでしょう。

このビジネス文書の書き方には、ルールやマナーがあり、それを知らずにいい加減に書いてしまうと、会社内での評価を落とすことになりかねません。

この記事では、ビジネス文書をWordで制作する際の文書の書き方、そのためのWordの操作方法について解説を行います。

ビジネス文書の体裁

まずは、一般的なビジネス文書の書き方について、例文を使って解説していきましょう。

これは、ビジネス文書をワープロで制作する際の一般的なルールに従って書いた例文の全体図です。

全体を見せるために、Wordの縮小機能を使っています。これでは要所ごとに解説するのは難しいので、拡大して見ていきましょう。

最初は発信日・受信者名・発信者名

ここからは要所ごとに番号を振って解説をしていきます。

なお、文字と文字の間にある□は空白であることを表しています。わかりやすくするために、Wordの機能によって表示させています。

①まず一番最初に書くのは、発信日です。文書の1行目に右揃えで書きましょう。

ちなみに、発信日とは文書を送付する日のことです。誤って文書を制作した日の日付けを書かないようにしましょう。

1行空けてから、2番目に受信者名(宛名)を書きます。左揃えで書きましょう。

受信者である会社、組織の名称を上に、文書を受け取る担当者の氏名を一行後に書くのが基本です。

最初の会社名の前の行頭は1字分の空白を置くことが好ましいです。会社名を書いたら、改行してから担当者の氏名を書きます。このとき、氏名の行頭には、会社名よりも多い空白を置いて、階段状にするのがマナーです。

受信者名は役職名→氏名→敬称の順で書きます。それぞれの間に1字分の空白を置きましょう。氏名の姓と名の間にも空白を置きます。

そして、会社名と担当者名の行末は、行頭と同じように階段状にしましょう。

会社名への敬称として「御中」がありますが、これは受信者名が会社名のみの場合に使用します。担当者が含まれている場合は、担当者名に「様」を用いるのがマナーです。「御中」と「様」を2つ同時に使ってはいけないというルールになっているので気をつけましょう。

③発信者の会社名と担当者名を書きます。受信者名との間を、1行空けてから右揃えで書きます。

会社名を書く際は、5文字程度の空白を置いて行末を右端から離しておきましょう。

担当者名は受信者名の時と同じく、役職名→氏名の順で書きます。くれぐれも敬称はつけない様にしましょう。発信者本人が自分の名前に「様」なんてつけたら何様のつもりだと思われてしまいます。また、氏名の行末は1文字空けておくのが好ましいです。

そして受信者名と同じように、会社名と担当者名は行頭と行末を揃えず、階段状になる様にしましょう。

件名と本文

日付、受信者名、発信者名の次に書くのは件名と本文です。

④発信者名の後に、1行空けてから件名を書きます。配置は中央揃えにしましょう。

下線を引いていますが、これは絶対に必要というわけではありません。そうするように指定されたら、線を引くようにしておきましょう。

⑤件名の後に、1行空けてから本文を書き始めます。一番最初は頭語を書きます。頭語の後は、句読点などをつけずに1字分の空白を置いてから、時候のあいさつを書きます。その次には、慶賀のあいさつ感謝のあいさつと続けて書きます。

頭語や時候のあいさつ、感謝のあいさつそのものについての解説は長くなってしまうのでこの記事では省きます。

⑥改行して文書の本題である主文を書きます。改行した後の行頭は、空白を1文字空けておきましょう。「さて」などの起こし言葉から始めると「ここからが主文」であると伝わりやすくなるので、積極的に用いましょう。

ビジネス文書の本文は「前文」「主文」「末文」の3つで構成されますが、それについての詳しい解説もこの記事では省かせていただきます。

⑦本文を書き終えたら最後に結びのあいさつである結語を書きます。本文の後に1行空けてから右揃えで書きます。例文では「拝啓」という頭語の組み合わせとなる結語なので「敬具」と書いています。「敬」と「具」の間に、1文字空白を空けておくと見栄えが良くなるので空けておくことが好ましいです。

別記と表

本文を書き終えたら、内容を補足するための別記を書くことがあります。補足と言っても、ここに重要な情報を記すことがほとんどなので、ちゃんと伝わりやすく見やすくするように心がけましょう。

⑦最初に「ここからは別記」であることを表すために「記」の一文字を、中央揃えで書きます。

⑧別記を箇条書きで書く際には、行頭のインデントを調整しておきましょう。インデントの調整については、後で解説します。

⑨別記は、番号を振って見出しを書いてから2文字分の空白を置いて、内容を記すのが一般的です。このとき見出し部分は他の見出しの中で、一番文字数が多いものに合わせて均等割り付けを行います。均等割り付けについても、後で解説します。

⑩別記の内容によっては表を書くことがあります。表の作り方についても、後で解説します。

⑪書くべきことを全て書き終えたら、文書全体を締めくくる言葉として「以上」と記します。配置は右揃えに「敬具」と同じく「以」と「上」の間に、1文字空白を置くと、見栄えが良くなります。文末にも1文字空白を置くようにしましょう。

インデントの調整

別記の行頭は本文の行頭よりも、低い位置にあるほうが見栄えが良くなります。そのために、インデントの調整を行います。

インデントとは行頭の前の余白のことです。余白を作るのは、スペースキーを押して空白を入力することでもできますが、複数の行の余白を作る際は、行頭がきちんと揃うようにインデントの調整を行う方がおすすめです。

解説のために、インデントの調整をしていない初期設定に戻します。

インデントの調整を行うにはまず、調整したい行をマウスでドラッグするなどして選択します。

Wordの画面上部の「ホーム」タブの中にある「インデントを増やす」ボタン(赤い四角で囲われている部分)をクリックします。

インデントの調整を行うとこのようになります。なお、この画像ではインデントを2文字分増やしています。ボタンを一回クリックすると、1文字増えるので2回クリックしています。

見出しの均等割り付け

別記の見出し部分が、画像の様にそろっていないと、見栄えが悪く相手にいい印象を持たれません。Wordには、文字数の一番多い見出しに合わせて割り付けを行うための機能があります。

まずは、割り付けを行いたい部分を選択します。普通にマウスをドラッグすると、離れた部分を選択することができませんが、Ctrlキーを押しながらドラッグすれば、離れた部分の選択もできます。

それから、選択するとき行末にある改行マーク(改行した行に現れる矢印)を含まない様にしましょう。均等割り付けが正しく行えなくなります。

選択したら画面上部の「ホーム」タブにある「均等割り付け」ボタンをクリックします。

上の画像のようなボックスが現れます。「新しい文字列の幅」が見出しの中で一番多い文字数になっていることを確認したらOKをクリックします。

正しい均等割り付けになっていることを確認しましょう。

表の作成

別記の内容によっては表を作成することがあります。Wordには表の作成を行う機能があるので、それを使いましょう。

まず、表を入れたい部分の上にある行、この例文の場合「見積書内容」の後ろをクリックします。

次に画面上部にある「挿入」タブをクリックして、現れたメニューの中から「表」をクリックします。

挿入する表のサイズを設定するボックスが現れます。ここでは4行×3列になる様に設定します。

表が挿入されます。このとき、表の下に1行余分な行が追加されるので削除しておきます。

表に文章を書きます、最初に挿入された表の設定のままだとこのようにちょっと崩れた形になってしまうでしょう。このままでは見栄えが悪いので、表のサイズの設定を行います。

表をクリックすると、画面上部に「表ツール」というタブが現れます。その中の「レイアウト」タブをクリックすると現れるメニューの中から「自動調整」のボタンをクリックします。

現れた一覧の中から「文字列の幅に合わせる」をクリックします。

すると自動的に表のサイズが自動で調整されます。ここで、表の中の書式についての解説をいたします。

「品番」「商品名」「数量」といった見出し中央揃えに設定しましょう。

「20個」「100個」など数字を含めた文を書く場合は、桁の位置をそろえるようにしましょう。例文では右揃えにすることで桁を揃えています。

表を完成させたら、インデントの調整も行います。

表の上に表示されている十字の矢印をクリックすると、表全体を選択することが出来ます。この状態になったら、先ほどと同じく画面上部の「ホーム」タブの中の「インデントを増やす」を2回クリックします。

表がちょうどいい位置に配置されました。

体裁を整えるのは全文を書いてから

こうして見ると、細かいルールが多くてビジネス文書を作るのってこんなに面倒なのかと思われた方もいるかと思います。こればかりは仕方がないので、ルールに従って作業に当たるほかありません。

少しでも制作の時間を省きたいと思ったら、まず全文を書き終えてから体裁を整えるという手法で作業するのが良いでしょう。

先ほどの例文の体裁を整える前、全文を書いただけの状態です。ここから、配置の設定やインデントの調整、表の作成などを行っていきましょう。

体裁を整えた後で、内容のミスに気付いて直すのがややこしくなるということがないように、文書の内容はきっちりと確認しましょう。この文書にも、本文の中に同じ文を繰り返してるところがあったり、納期に「令和元年」と書くのを忘れているというミスがあります。

「記」が中央揃えになっているが、実はWordには「記」と入力すると自動的に中央揃えにしてくれる機能があるぞ。他にも「拝啓」と書くと離れたところに「敬具」と自動で、右揃えにして入力してくれたりもするぞ。

フォントや余白などの設定はどうすれば?

「Wordで文書を書くときの、フォントや余白に文字サイズの設定はどうすればいいの?」という声があります。

これについてズバリ言うとフォント、余白、文字サイズに関しては、はっきりしたルールはありません。

基本的にはWord起動時の初期設定がそのまま使われています。そうしろというマナーを課されているわけではなく、単に圧倒的多数の方が初期設定をそのまま使っているというのが現状です。

「初期設定の文字サイズでは見にくいから大きくしなさい」などの具体的な指示があったり「うちではフォントはメイリオにしている」など会社内にルールがある場合は、それに従うようにして、特に指示が無ければ初期設定をそのまま使うという風にしておけば問題は無いでしょう。

 

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