CPU? メモリ? ハードディスク? パソコンの中には何がある?

パソコンの仕組み

パソコンを買おうと思って、通販サイトを見たり、家電量販店のパソコンコーナーに足を運んでみると、パソコンの性能(スペック)について書かれているのを見るでしょう。

そこに書かれているのは、パソコンに詳しくないとよく理解できないかもしれません。

CPUインテル Core i5とか、

8GBDDRメモリとか、

500GBHDDなど、

わからない人から見たら、ちがう世界の言葉に見えてきそうです。これらの言葉が何のことかをざっくり説明すると、パソコンを構成する部品の種類と性能を表しています。

この記事ではCPU、メモリ、HDDといったパソコンの中に入っているハードウェア(目に見える部品)について、話してみたいと思います。

CPUってなに?

CPUという言葉は頭文字であり、正式名称は「Central Processing Unit」といいます。

日本語に訳すと中央処理装置と呼ばれます。

CPUとはいったい何の機械かと、ざっくりと言えば、ソフトウェアに書かれたプログラムに従って、ひたすら計算を繰り返す部分です。

プログラムに従って、絵を描いたり、動画を再生したり、ゲームを動かすといった、パソコンにとっての「計算」を実行するのはCPUです。

人間に例えるなら、プログラムという指令書に従って仕事を行う作業員と例えられます。

CPUの性能はどれくらいか、何を見てどう判断すればいいの?

それを解説するために、まず今自分が使っているパソコンのスペックを見てみましょう。

画面左下の「スタート」アイコンを右クリックして、現れた一覧から「システム」をクリックします。(これはWindows8でのやり方です)

現れた画面の一部を切り取っています。いろいろ項目がありますが、ここで注目するのは赤い四角で囲われた「プロセッサ」の項目です。プロセッサとはCPUのことです。

Intel(R) Celeron(R) CPU 1037U @ 1.80GHz と知らない人が見たら、なんのこっちゃよくわからない数字とアルファベットが並んでいます。これについて解説していきましょう。

まずIntel(R)とはインテルというCPUを製造、販売しているメーカーのことです。

アメリカに本社を置く半導体素子メーカーで、特にCPUのシェアでは全世界で80%を占めていると言われる、業界最大手の会社です。日本では「インテル 入ってる?」というキャッチフレーズの使われたCMが有名かもしれません。

(R)というのは登録商標であることを表す記号だぞ

Celeron CPU、のCeleronは「セレロン」と読まれることが多いです。これはインテルが製造したCPUに付けた商品名です。Celeronはインテルが製造したCPUの中では、性能が低い代わりに価格も安く抑えた、ローエンドモデルとよばれるものです。価格の安いパソコンに多く使われています。

Celeronの他には、Core2Duo、Core-i3、Core-i5、Core-i7、Core-i9などが有名どころです。どれもCeleronよりも性能が高く、価格も高いです。

1037Uというのは、プロセッサー・ナンバーというインテルが製品を区別するために付けた、型番です。

1.80GHzとは、クロック数と呼ばれる、CPUの処理速度の速さをGHz(ギガヘルツ)という単位で表したものです。この数字が大きいほど、CPUの性能が高いと思っても構いません。

筆者が使っているパソコンのCPUは価格が安く、性能も低めのものであるというのがわかりますね。性能が高いものが欲しかったら、商品名がCore-i5やi7のものを、クロック数が高いものを選ぶ必要があります。

メモリって何?

メモリとは英語の「Memory」から名付けられており、文字通りパソコン内のデータやプログラムを記憶する機械です。

記憶すると言っても、パソコンで作った文章や画像などのデータを保存して、電源を切ってまた入れなおした後でも、閲覧できるようにする場所ではありません。それは後で解説するHDD(ハードディスクドライブ)の役目です。

ではメモリは何を記憶しているのでしょうか?

パソコンで作業をすることはデータの読み書きを行うことでもあります。例えばパソコンで絵を描いていると、パソコンで線を描いたり色を塗ったりする作業は、パソコンにとっては計算でありその際にデータの読み書きを常に行っています。HDDに保存されるのは、その作業を終えて完成した画像のデータです。

一方メモリには、絵を描いている作業中にも行われているデータの読み書きを一時的に記憶するようになっています。一時的なので、電源を切ると記憶したデータは全て消えてしまいます。

消えてしまうなら何のためのメモリなの? と考える人もいるかもしれませんが、メモリの役目はデータを残すことではありません。消えても問題の無いデータを、HDDの代わりに記憶することでHDDの負担を減らしてパソコンの処理速度を速めることがメモリの役目です。

もしもメモリという部品が無く、HDDにパソコン作業で生じるすべてのデータの記憶をさせていたら、パソコンの処理速度はみるみる遅くなり、とても作業なんてしていられなくなります。

例えるなら、CPUが作業員とすればメモリは作業台(デスク)です。

作業員が作業をする際に、必要になる資料や道具は当然、作業台の上に置いておくべきです。

作業台があれば、資料の確認や道具を使用することが楽になります。もしも作業台が無く、資料や道具が常に、HDDという引き出しの中に納まったままで、使うたびに引出しから取り出さなければならなくなると作業の効率はがた落ちです。

この作業台は、大きければ大きいほどたくさんの資料や道具を置くことができます。それらがあれば、作業員の仕事は早くなります。作業員の仕事を早めることができる作業台は、性能が高いのです。

メモリの性能はどうやって判断するのでしょう?

先ほどのCPUのときと同じ方法で、パソコンのスペックを見てみましょう。ここで注目するのは、「実装メモリ」の項目です。

画像では4.00GBとなっています。GB(ギガバイト)というのはメモリが記憶することのできるデータの容量です。これが大きいほど、メモリの性能は高くなります。

(3.88GB使用可能)という表記はどういう意味かというと、パソコンは電源を付けているだけでも、パソコンを動かすためのソフトウェアが起動しています。そのためにメモリの容量を使っているので、4GBのメモリと言っても、実際に使える容量は少し下がるためこのように表記しているのです。

メモリの性能が高ければ高いほど、パソコンの処理速度は速くなります。3Dのグラフィックを表示するのが速くなったりするでしょう。

HDDってなに?

HDDとは「Hard Disk Drive」の略称で、ハードディスクと呼ばれることが多いです。

先ほど少し説明しましたが、パソコンで作ったデータをファイルにして保存しておく、引き出しの役目をする部品です。

パソコンで制作した文章、画像、動画、プログラムといったデータの他、その制作を行うためのソフトウェアや、パソコンを動かすためのOS自体を保存して、パソコンの電源を切ってもデータが消えないように保存しておくのが、HDDの役目です。

お使いのパソコンの中にある「PC」という名前のファイルを開いてみれば、このようなアイコンが存在していると思います。

これは今使っているパソコンのHDDはどれだけの容量を収められるのか、また現在どれだけの容量のファイルが保存されているかを示しています。

パソコンによっては、メインのHDD(Cドライブと呼ばれます)の他に、予備のHDD(Dドライブと呼ばれます)も内部に存在していることがあります。

先ほどの説明の繰り返しになりますが、HDDは他のものに例えるなら引き出しです。

CPUという作業員が、メモリという作業台で作ったものを、HDDという引き出しに収める、あるいは引き出しから作業に必要な資料や道具を取り出し、作業台に置いておく。これがパソコンの中で起こっていることは何かをざっくりと例えた言葉となります。

ちなみに、画像の一番下にあるのはDVDの中にあるデータを読み取るためのドライブです。データを読み取ると言っても、映画などのDVDをパソコンで鑑賞するには、映像を再生するためのソフトウェアが別に必要となります。

最近はHDDと同じ機能をもつ「SSD」という機械も出てきているぞ。「 Solid State Drive」ソリッドステートドライブの略称で、HDDよりも価格が高い分、データの読み取りが速いため、パソコンの処理速度を速めることがメリットだ。ただし、保存できる容量はHDDよりも少ないぞ。

CPU メモリ HDD どれが一番大事?

これまで紹介した部品のどれが一番大事かと言われれば、様々な考えがあると思います。

パソコンの頭脳であるCPUが重要と言われることもありますが、筆者はどれも大事で欠かすことはできないと考えます。

CPU、メモリ、HDDどれか一つでも欠ければパソコンは機能しません。

じゃあ3つとも高い性能を持った、パソコンを値段が高くても買えばいいんだね。

いいえ、必ずしもそうとは限りません。

最近は性能の低いパソコンでも、ビジネス文書の作成やインターネットを使うぐらいなら、特に苦労することなく作業できるのがほとんどです。

HDDの容量も低いもので64GBから、高いものなら1TB(テラバイト)とギガよりも大きい容量がありますが、文章や写真程度のデータは容量が少ないため、安いHDDでも十分な量を保存できます。

パソコン買うなら値段が高くてもイイやつを! と思って20万円以上するパソコンを買っても、使い道が文章を書いたり、写真を記録したり、インターネットを閲覧するだけだったら、はっきり言って宝の持ち腐れです。

動画の編集(動画は画像よりも容量が遥かに大きい)や最新のゲームを快適に遊びたいというときには、高級なハイスペックのパソコンが必要となります。

パソコンの良し悪しは、使う側の目的に左右されるところが大きいです。パソコンを選ぶときは自分がパソコンで何をしたいかをよく考えましょう。

CPUなどの部品については、ここでは書ききれないことが多いのですが、それについてはまたの機会があればということでお願いします。

タイトルとURLをコピーしました