「パソコンってなに?」と質問されたら、どう答えるべきでしょうか?
「Windowsのことでしょ」
というのは間違った答えです。パソコンに詳しい人に「わかってないな」と思われてしまうかもしれません。
「MacOSのことだよ」
というのは間違った答えですが、MacOSを愛用している人に「わかっているな」と思われるかもしれません。
パソコン初心者の方は、WindowsやMacOSをパソコンをさす言葉だと思いがちですが、それは違います。じゃあパソコンって何なの? という話を今回はしていきたいと思います。
そもそもパソコンという言葉はどういう意味?
パソコンという言葉は略語です。正式名称は「パーソナルコンピューター」と言います。
当然、元は英語なのでアルファベットで書くと「personal computer」となります。
日本語に直訳すると、「個人的な電子計算機」となります。そもそもコンピューターとは、人間の頭脳では難しい計算を代わりに行うための機械です。
発明されたばかりのコンピューターは、とても大きく部屋一つ占有するほどで、一つのコンピューターを複数の人数で、動かす必要がありました。値段も、とても高く政府の機関や研究所ぐらいしか扱えないような代物でした。
世界初のコンピューターは何かというと、アメリカのENIACという計算機や、同じくアメリカのアタナソフ&ベリーコンピューターという計算機、ドイツのZ3に、イギリスのコロッサスという暗号解読機械など、いろんな説があってこれだと断言はしづらいです。
説があるというよりは「我々こそが世界初のコンピューターを作ったんだ!」と言い争っている感じだぞ。
それが技術が進んで、コンピューターのサイズはどんどん小さくなり、動かす人も一人で十分になります。値段も発明されたばかりの頃に比べれば安くなり、家庭用のコンピューターが市場で売られるようになります。
家庭で一人の人間だけで扱えるようになったコンピューター、すなわち個人的なコンピューターということで「パーソナルコンピューター」そして「パソコン」という言葉が生まれたのです。
パソコンってどんな機械なの?
先ほども述べましたが、コンピューターとは人間の頭脳では難しい計算を、代わりにやってもらう機械です。パソコンは個人で使えるコンピューターです。
「計算」というと「1+1=2」とか「243×342=83106」とか「10÷3=3.3333…」などの数字のやりとりが、真っ先に思い浮かびますが、パソコンにとって計算とはそれだけを指すのではありません。
ちなみに、パソコンにかけ算やわり算をさせるときに「×」と「÷」はパソコンで行う計算には使えないぞ。詳しいことはこちらの記事を参考にしてほしいぞ。
キーボードを使って「こんにちは」という言葉を打ち込み、画面に表示させたとします。
なぜ、パソコンはキーボードで「こんにちは」と言葉が打ち込まれると、画面に表示させることができるのでしょうか?
それはパソコンがキーボードで「こんにちは」と入力されたと認識した瞬間、それを画面に表示させるための計算を瞬時に行い、その計算が成功した結果、画面に「こんにちは」と表示させることができるのです。
自分で書きながら、ややこしくてよくわからない書き方だと思います。もっとかいつまんで書くようにすれば、パソコンで行うことは全て、パソコンにとっては「計算」なのです。
パソコンで絵を描くのも「計算」です。パソコンで音楽を聴くのも「計算」です。パソコンでネットを使うのも、動画を観るのも、ゲームで遊ぶのも、パソコンにとっては「計算の答え」を示しているに過ぎないのです。
ただし、計算をするには「計算式」つまり、計算の解き方が必要になります。計算式は「プログラム」と呼ばれます。
このプログラムをパソコンで動かすためのものは何かというと、ずばりWindowsなのです。
パソコンにとってWindowsとは何か?
まず、説明しておくべきことはパソコンを構成するものは2つあることです。
「ハードウェア」と「ソフトウェア」と呼ばれるものです。
ハードウェアとは、パソコンという機械の目に見えている部分です。パソコン本体やディスプレイ、キーボードやマウスなどのパソコンの部品を表す言葉です。
ソフトウェアとはパソコンの目に見えない部分です。先ほど述べた、パソコンが計算を行うための計算式「プログラム」のことを表す言葉です。
そのプログラムを動かすためのものこそが、WindowsやMacOSなのです。
WindowsやMacOSとはソフトウェアを動かすために必要な物であり、パソコンという機械でも需要な部分と言うべきものです。このようなもののことを「OS」と言います。
OSもまた略語で、正式名称を「Operating System」オペレーティングシステムと言います。
人間の身体で例えてみましょう。
ハードウェアは人間の腕、目、耳などの目に見える肉体です。見たり聞いたり操作するのが役目です。
ソフトウェアは読み書きをしたり計算をしたり絵を描くなどの、人間が持っている能力や技術に当たります。
OSは人間の脳です。人間の体は、脳からの指令で動かします。読み書き計算などの能力も、脳に記憶されているからこそ行使することができます。思考すること自体、脳が無ければ行うことはできません。
パソコンの頭脳と言われる、CPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェアも、OSが無ければその機能を行使することはできないんだぞ。OSが脳そのものなら、CPUなどは前頭葉や海馬といった脳の部位に当たると思うぞ。
最初に述べたように、WindowsやMacOSなどのOSはパソコンそのものではありません。しかし、OSはパソコンそのものがどのような機能を持つかを左右する、とても重要なパーツであることは間違いありません。
ひとつ例をあげれば、Windowsで遊べるゲームがMacOSでは遊べないということはよくあります。
これはWindowsというOSには、そのゲームというソフトウェアを動かす機能はあるが、MacOSにはそのための機能がないということです。
全く同じハードウェアから作られた、全く同じパソコンでも、OSが違えばゲームで遊べるかどうかも変わってきます。それほどOSとは、パソコンにとって非常に重要な物なのです。
なぜ「パソコン=Windows」と思ってしまうのか?
繰り返しになりますが、OSはパソコンそのものではありません。しかし、パソコンになくてはならないものです。
しかし、Windowsという言葉はパソコンそのものを指す言葉として使われることが多いです。
現在、全世界のパソコンに使用されているOSの実に9割が、Windowsであると言われています。家電屋に並ぶパソコンもほとんど、Windowsが最初から搭載されているものです。
パソコンに詳しくない人が、Windows=パソコンという認識を持つのも無理もない環境と言えます。
OSにはWindowsの他にMacOSというものもありますが、使っている人は少ないです。
そのせいか、ソフトウェアを作るメーカーは、作ってもたくさん売れることが見込めず利益がでないと判断して、MacOS向けのソフトを作らないことが多いのです。
Macユーザーにとっては不遇の状態が長い間続いていますが、その分Macに対する愛情は深く、パソコンと言えばMacと言うと、Macユーザーの方々は喜ぶかもしれません(筆者の個人的な見解です)
実際のところ、MacOSを使っている人はWindowsも一緒に使っていることが多いぞ。パソコンを二つ持ったり、一つのパソコンにWindowsとMacOSを両方搭載することもできるのだぞ。
最後のまとめ
パソコンとはWindowsのことではありません。
パソコンとは計算を行う機械です。文章を書くのも、絵を描くのも、動画を観るのも、パソコンにとっては計算です。
Windowsは「OS」という、パソコンに計算をさせるために必要なソフトのことです。
OSはパソコンにとって、非常に重要な部分であり、どんな機能を持つかを左右するものです。
現在、パソコンに搭載されているOSの約9割がWindowsなので「パソコン=Windows」と思ってしまうのも無理はありません。