Excelは表計算ソフトと呼ばれています。表計算とはすなわち、表を作って計算を行うことです。そのまんまです。
Excelには表を作るのを楽にするための機能があるのと同じように、計算を自動的に行う機能が備わっています。この記事では、Excelで数式を入力して計算を行う、基本的な方法を解説します。
今回は初心者向けの記事ということで、PCをよく使っている人から「それくらいわかって当然でしょ」と言われそうなことも、きっちり解説していきます。
Excelで四則演算をしてみよう
Excelでは数式を入力すれば、自動的に計算して答えを出してくれます。電卓と同じです。
セルを選択して、数式を入力する際に気をつけなければいけないのは、「=」を最初に入力しなければいけないことです。
Excelにおいて「=」は、この後に入力されるのは数式ですよと示すための記号なのです。
ちなみに、「=」を入力するには「=」と書かれたキー(右下に「ほ」と書かれています)をShiftキーを押しながら入力するか、「いこーる」と入力してからSpaceキーを押して「=」に変換しましょう。
「1+1=」と入力しても、そのままセルに「1+1=」と書かれるだけだぞ。Excelでは数式は「=」から始まるのがルールなのだ。
まずは足し算をしてみましょう。セルに「=」を入力してから数字を入力して、「=○○+〇〇」と2つの数字の間に「+」を入力します。
ちなみに「+」を入力するにはShiftキーを押しながら、「+」が書かれているキー(右下に「れ」が書かれています)を同時に押すか、「たす」や「ぷらす」と入力してから変換してください。
このように、人の頭でやると、ちょっと時間がかかる計算でも(暗算が得意な人ならすぐにできるでしょうけど)
すぐに答えを出してくれます。
次は引き算です。「=」を最初に入力し、「=○○-〇〇」と数字の間に「-」と入力します。
この「-(マイナス)」は、半角英数字を入力するモードになっているときに、左下に「-」と書かれているキー(右下に「ほ」も書かれています)を一つだけ押せば入力できます。「まいなす」を変換することでも、入力できますよ。
「ひく」を変換することでも入力できるが、「引く」「挽く」「弾く」など、漢字の候補がたくさん出てきてややこしいからおすすめしないぞ。
セルに数式を入力して
入力を確定すれば、答が出ます。
次はかけ算です。ここで、お使いのキーボードを見ていただくと、「×」と書かれているキーがないことに気づくでしょう。
「かける」を変換すれば「×」と入力できますが、Excelでは「×」はかけ算の式には使えません。
ではどうすればいいか、他の記号を使います。「*」です。「アスタリスク」と読む記号ですが、これは「×」と同じ、かけ算を表す記号でもあるのです。
入力するにはShiftキーを押しながら、「*」が書かれているキー(右下に「け」と書かれているキー)を押します。
「=○*○」と入力すれば
答えを入力してくれます。
最後にわり算です。これも「×」と同じく「÷」という記号はキーボードには無い上に、Excelでは「÷」をわり算の数式には使えません。
なので、ほかの記号を使います。「/」です。スラッシュと読みます。
半角英数を入力するモードのときに「/」が書かれているキー、左上に「?」、右下に「め」と書かれているキーを押せば入力できます。
「=○/○」と、数式を入力すれば
すぐに答えが出ます。
気づいた人もいると思うが、「/」は日付を入力するときにも使われるぞ。「=」を入力せずに、「8/2」と入力すれば、「8月2日」と自動的に入力されるぞ。ちなみに「分数を入力したいのに日付になってしまう」というときは、この記事で解説しているぞ。
セルを選択して計算する
数式の入力のやり方を覚えたところで、この表の価格と販売個数の数値をかけ算して、総売上の集計をしたいと思います。
このとき、D2のセルに数式を入力するときに、「=5800*123」と手作業で入力する必要はありません。
まず「=」と入力します。このとき、「=」は半角で入力するように気をつけましょう。
日本語の文字を入力しながら数式の入力をしようとすると、全角モードのまま数式の入力をしてしまいがちだぞ。数式は半角英数字でなければ認識されないぞ。数式を入力するときは必ず半角入力モードになっているか確認するんだぞ。
数値の入力に話を戻しますと、「=」を入力した後に数値を直接入力するのではなく、計算したい数値が書かれたセルをマウスでクリックしてみましょう。
するとこのように、クリックしたセルが動く点線で囲われた状態(画像ではわかりませんが、実際には線がアニメーションしています)になります。総売上のセルには「=B2」と選択したセルの番号が、青い文字で入力されています。
これで、セルに書かれた数値を入力したことになります。
次にかけ算の記号「*」を入力してから
販売個数のセル、ここではC2のセルをクリックします。今度は緑色の字で、C2と書かれました。この状態で、EnterキーかTabキーを押して入力を確定します。
答えが出ました。手作業で数値を入力するよりも、少ない手間で計算ができますよ。
数式のコピーはオートフィルで
さて、この次の行でも同じように計算したいと思ったとき、さっきと同じように、セルをマウスで選択するという作業を繰り返す必要はありません。
画像のように、選択したセルの右下にカーソルを合わせると、黒いプラスのマークに変わります。
カーソルが黒いプラスになっているときに、数式を書きたい範囲までドラッグします。
マウスのボタンを離すと、このように最初のセルに入力した、かけ算の数式が自動的にコピーされて入力されます。ちゃんと、行に合わせた数式になっているので答えも合っています。
これはオートフィルという機能です。詳しくはこちらの記事で解説しています。
時間も数式で計算できる
Excelでは時間の計算も、数式で行えます。上の表の勤務時間を、数式で割り出したいとします。
勤務時間のセルに「=」と入力してから「終了時刻」の列のセルをクリック
次に「-」を入力してから、開始時刻の列のセルをクリックしてから、EnterキーかTabキーを押して入力を確定
これで、計算が完了しました。勤務時間を計算するときは、終了時刻から開始時刻を引くと覚えておきましょう。
ちなみに、時刻だけでなく、日付を数式にして期間を求めることも可能です。
先ほどと同じ要領で、納期から発注日を引けば
その間の期間が、自動で入力されます。
給与の計算をしてみよう
先ほど解説した、時刻の計算を応用して、給与の計算をExcelで行ってみましょう。
まず、給与を時給で計算するときは、表のどこかに時給を書いておきましょう。
次に数式の入力ですが、Excelで給与を時給で換算するときには、公式というべきものが存在します。
「=(終了時刻-開始時刻)*24*時給」
上の表の数式を、数字で表せば「(17:00-9:00)*24*980」となります。まず、勤務時間を計算してから、その数字に24と時給をかけると、その勤務時間での給与がでるという公式です。
数式を入力して、Enterキーを押せば、このように答えが自動で入力されます。
「=(終了時刻-開始時刻)*24*時給」となぜ、このような公式になるか解説します。
Excelでは時刻や日付の計算をする際、内部で「シリアル値」という別の数字に換えています。
1日すなわち24時間全体を、「1」としています。「12:00」のシリアル値は「0.5」です。0.5に24をかければ「12」になります。24をかけるのは、シリアル値を時刻の数値に換えるための計算なのです。
よくわからないと思った人は、とりあえず
「=(終了時刻-開始時刻)*24*時給」を公式として覚えておけば結構だぞ。繰り返しになるけど、数式は半角英数字で入力するよう注意するんだぞ。